CL Column
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上野 隆の「やっぱりフィルムが好き」

第2話 「フィルムカメラを改めて買う その1」

50年近く前のカメラでも、最新のレンズを付ければ
第一線で活躍できるのがフィルム写真の魅力だ。

カメラ:ライカM3
レンズ:ビオゴンT*21mmF2.8ZM
撮影データ:f5.6 1/125
フィルム:フジクロームアスティア100F

フィルム写真を楽しむには、
当たり前ですけどフィルムカメラが必要です。
もし皆さんの中に
「最近はデジタルしか撮らなくなったけど、
もう一度フィルムで撮ってみようかな?」
と思っている方がいらっしゃるなら、
心機一転という意味を込めて新しいカメラを買ってみることをおすすめします。
きっと、初めて自分のカメラを手にした時のような
ワクワク感が蘇ると思いますから。

ところがご存知の通り、
今では本当にフィルムカメラの種類が減ってしまいました。
以前、私の写真教室の生徒さんで
「私のデジカメでもフィルムは使えますか?」
と真面目に聞いてきた人がいますが、
残念ながらそんな素晴らしいカメラがあるはずもなく、
今フィルムカメラを取り巻く環境は悪化の一途をたどっています。

カメラといえばデジタルカメラを指す世の中になってからというもの、
フィルムカメラを新たに開発、生産してくれるメーカーはトイカメラ
を除けば国内に2~3社といったところでしょうか?
一眼レフにいたっては、現行機種がプロ用の高級機か
海外生産の低価格機のいずれかしかなく、
選択の幅が極めて狭いと言わざるを得ません。
これも時代の流れですから仕方ないのかもしれませんが・・・。

しかし、フィルムカメラには長い歴史があり、
過去数十年の膨大な資産が存在します。
しかも、今でも十分現役で使える資産です。
いわゆる中古カメラの世界です。
今、フィルム写真愛好家を支えているカメラは中古カメラだといって
も過言ではないでしょう。しかも、新しいデジタル一眼レフを買うた
めにフィルムカメラを手放す人がたくさんいて、程度のいいカメラが
驚くほど安く手に入る環境になっています。

私なんてしょっちゅう
「え? あのカメラの美品がこんなに安いの!?」と驚いては
「このカメラ、ちょっと見せてもらってもいいですか?」
と店員さんを呼んでしまい、
気付いたら財布からクレジットカードが・・・(笑)。
これについては身に覚えのある方も多いのではないでしょうか?
ライカやハッセルといった憧れの名機も確実に安くなりました。
「先生、ついに僕もライカオーナーですよ!」
と嬉しそうに私にそう言ってくる生徒さんもいます。
そういう意味では私達フィルム写真好きにとって、今はとても喜ばし
い時代だと言えるのかもしれません。
ただ、実はこれがそんなに喜んでばかりはいられないのです。
その辺の話はまた次回に・・・。

上野 隆
全国の写真教室や撮影会の講師として活動中。
写真撮影の技術ではなく、写真の楽しさをテーマにし
た授業内容が大好評。写真展や写真関連イベントのプ
ロデューサーとしても定評がある。
フィルム写真のアナリストとして、新聞、雑誌、各種
写真イベントへの登場多数。写真専門誌への寄稿多数。
フォトマスター検定「エキスパート」取得。
英国王立写真協会会員。
上野 隆氏が主宰する写真教室はこちら。