さて、初回から何やら意味深なタイトルをつけてしまいましたが、
これが私の偽らざる気持ちです。
皆さんはフィルムがあと何年くらい生産されると思いますか?
5年? 10年? それとも今後もずっと作り続けられると思っていますか?
さすがに5年後にフィルムがなくなったりはしないでしょう。
それは私も確信できます。でも10年後となると正直分かりませんよ。
このままの勢いでフィルムの使用量が減っていくと、
いずれメーカーは生産設備を維持できなくなるし、
現像所は現像設備の維持管理ができなくなるでしょう。
「メーカーには供給責任があるから、フィルムはなくならない」
よく雑誌やネット上でそう発言する人がいます。
確かにユーザーがいる限り、ある程度責任はあるでしょう。
でも民間企業である以上、損をしてまで供給することはできませんよ。
そうなると、どうなるか?
フィルム1本2000円、現像1本2000円、Lプリント1枚300円、
例えば、そういう状況になっても不思議はありませんね。
しかも残るのはせいぜい普及タイプのカラーネガ1種類だけ。
それでもちゃんと供給責任は果たしていることになりますから。
では、そんな状況でも「フィルムが残って良かった~」と
心から思えるでしょうか? 残念ながら私には思えません。
ポジのドラマチックな色再現も好きだし、
プロ用カラーネガの軟らかな階調再現も好き。
モノクロの美しさにも触れていたい・・・
そうやって、いろんなフィルムで、お気に入りのカメラとレンズを使って、
いろんな被写体を気軽に撮影できる・・・
それが「フィルムが残った」ということだと思うのです。
フィルムを残すための唯一の手段、それは私達写真好きが
フィルムを使うことです。フィルムで作品作りを楽しむことです。
上野 隆
全国の写真教室や撮影会の講師として活動中。
写真の技術ではなく、写真の楽しさを教えることを
テーマにした授業内容が好評。
写真展や写真関連イベントのプロデューサー
としても定評がある。
フィルム写真のアナリストとして、新聞、雑誌、
各種写真イベントへの登場多数。写真専門誌への寄稿多数。
フォトマスター検定「エキスパート」取得。
英国王立写真協会会員。
上野 隆氏が主宰する写真教室はこちら。