
撮影地:東京都練馬 OLYMPUS OM-1N ZUIKO28mmF3.5 f8 1/250 NEOPAN400PRESTO
家から10分ほどのところに自然豊かな池があり、子供の頃は毎日のように遊びに行っていました。
ここしばらくは疎遠になっていましたが、数年前に久しぶりに行ってみると何ともいい感じなのです。
それ以来、僕は毎週のようにカメラを持って池のほとりを歩くようになりました。
昔は池のまわりは整備されていなくて、まとまった雨が降ると道はどろどろになり、
そこを自転車で走るのが、むしろ楽しかったりしたものです。
いまでは立派な遊歩道ができて、雨でも足元を気にせずに歩けるようになりました。
そのかわり、自然の雰囲気は少し薄らいでしまった感じがします。
子供の頃は四ツ手網を持っていて、追い込み漁をして遊んでいました。
モツゴやハゼ、エビなどが獲れて、家に持ち帰って育てていたものです。
いま考えれば、とても綺麗とはいえない池の中によく入れたものだと思いますし、
そもそもいまは、池の中に入ろうものなら怒られてしまうかもしれません。
そのほかの楽しみといえば、ザリガニ釣りでした。
遠くから親子連れが来て、コツが掴めずに1匹も釣れなかったりすると、
かわりに釣ってあげて、お礼に梨をもらったこともありました。
最近もザリガニを捕っている子供を見かけますが、昔ほど大きいものはいないようです。
サギなどの野鳥や、ブラックバスなどが増えたせいかもしれません。
池にはカワセミもいて、カメラマンたちの格好の被写体になっています。
しかし僕は、サギだのカモだのアヒルだのといった鳥も好きです。
カモなどは表情も豊かで、餌を貰えそうだと思うと寄ってきますし、
何も貰えないとわかると、驚くほど速いスピードで去っていきます。
カモ同士の抗争やアヒルとの確執もあったりして、ちょっと人間臭い感じもします。
冬になると池に張る氷も、以前に比べるとずいぶん薄くなりました。
昔は子供が乗っても大丈夫なほど厚かったのですが、いまは張ったとしてもカモが乗れるくらいで、
カモでさえ、うっかりしていると氷が割れて池に落ちてしまうことがあります。
これも、地球が温暖化している影響なのかもしれません。
毎週のように池に行っていると、春夏秋冬、季節の移り変わりが手に取るようにわかります。
このような場所が家の近くにあることは、とても贅沢で幸せなことなのでしょう。
今年もまた池のまわりを撮り歩いて、四季それぞれの美しさを堪能したいと思っています。
写真・文 神戸眞平(ごうど しんぺい/トラベルグラファー)
1962年生まれ。
北は北海道から南は沖縄まで、列車とバスを乗り継ぎながら、
モノクロとカラーの二刀流で写真を撮り、文章を書く、トラベルグラファー。
基本的にはアナログ人間だが、最近はデジタル一眼の使用が増えている。