
カメラ:富士フイルム GF670 Professional
レンズ:EBCフジノン80mmF3.5
露出:絞り f11、シャッタースピード 1/350
フィルム:PRO400H
まずは撮影時の注意点。第一にフィルムの特長をよく理解し、
被写体や撮影目的にあった的確なフィルム選択をすることです。
例えば前回お話ししたPRO400Hで言えば、軟調でハイライトに
シアン味が乗るわけですから「紅葉を鮮やかにくっきり撮りたい」
という用途にはミスマッチですよね? でも、同じ紅葉撮影でも
「朝の透明感のある光で、しっとりと表現したい・・・」という時に
使うなら最適かもしれません。
第二に適正露出で焼きやすい「いいネガ」を作ることを心掛けるのが大切でしょう。いくらラチチュードが広いプロネガといえども、
撮影時に露出を大幅にずらしてしまっては、さすがに階調を失って
しまう部分も出てきますから。
余談ですが、ここ数年雑誌や写真展で見かけるカラーネガの写真は、
ますますハイキーで青味がかったものが多くなっていますね。
登場当初こそ新鮮でしたが、ここまで増殖するともう
「お腹いっぱい」という気がします。
「過ぎたるは、なお及ばざるが如し」ですね(笑)。
さて、続いてプリント時のポイントについてもお話ししましょう。
現像だけで発色まで行われるリバーサルと違い、
ネガカラーはプリントして初めて色が出るわけですから、
感材の特長を生かすも殺すもプリント次第とも言えます。
最大のポイントはプリント注文時に
自動補正をできるだけしないようお願いすることです。
最近のデジタルミニラボには自動補正機能が備わっていて、
露出やカラーバランスを自動的に
「最適化」してしまう場合があります。
この「最適化」が実は曲者で、普段は失敗を救ってくれる非常に
ありがたい機能なのですが、
あえて個性を出そうとして選んだフィルムの場合は、
せっかくの個性が薄まってしまうこともあるのです。
当初輸出用フィルムが写真専門店だけで販売されていたのは、
実はこれが理由だったのでは? と思っています。
フィルムを売る人とプリントを焼く人が同じ、
もしくはとても近くにいる「写真屋さん」なら、
写真家は自分の意図を焼き手に正確に伝えやすいですし、
お店も正しい知識と技術さえ持っていれば、
フィルムの持つ個性を上手に引き出したプリントが
提供できるはずですから。
最後に、もっと上級者向けコースとして「現像+ベタ焼き」という
やり方にも触れておきたいのですが、
それはまた次回以降にしましょう。
上野 隆
全国の写真教室や撮影会の講師として活動中。
写真撮影の技術ではなく、写真の楽しさをテーマにし
た授業内容が大好評。写真展や写真関連イベントのプ
ロデューサーとしても定評がある。
フィルム写真のアナリストとして、新聞、雑誌、各種
写真イベントへの登場多数。写真専門誌への寄稿多数。
フォトマスター検定「エキスパート」取得。
英国王立写真協会会員。
上野 隆氏が主宰する写真教室はこちら。