CL Column
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萩原和幸の「寝ても覚めてもカメラ」

「ペンタックスME Superの話」


カメラ:ペンタックスME Super
レンズ:smc PENTAX-M 50mmF1.7

先に見つけておいた中古レンズを引き取るために、
いつもの中古カメラ屋さんに出向いたその日、
他のものが欲しくなるとマズいので、
陳列ケースには行かずに、カウンターに直行した。
でも、やはり中古カメラは縁…
たとえ陳列ケースに向かわなくても、出会う時は出会ってしまうものだ。

「たった今、下取りしたんだよ。でもオートがダメっぽいね。」
店長が手にしていたそのカメラは、
ボロボロの革ケースに包まれている。
見るとレンズトップにPENTAXとある。
崩れそうな革ケースをそっと開いてみると、
ほとんど傷のないブラックボディが顔を見せた。
カメラは『ペンタックスME Super』。50mmF1.7が付いている。
手のひらで転がるようなコンパクトボディは愛おしさすら感じる。
ファインダーはとても明るく、ピントも合わせやすい。
“コトン”と落ちるシャッター音は不思議と安心感を与えてくれた。

でもME Superは限りなく“絞り優先オート機”。
マニュアルはとても使いにくい。
つまりオートが正確じゃないと、非常に手を出しにくいカメラだ。
どうしようかなあと勝手に悩む僕に店長は、
「オートがダメだからジャンク扱いにしようと思うんだけど」とおっしゃる。
えっ!? ジャンク扱い? それならいただきますよ!
僕はマニュアルが使えればいいし、
何よりジャンク扱いでこの愛らしいカメラを
手にできたことの方がラッキーなわけ。

翌日、電池を新品にして、カメラ修理店に持って行った。
調べてもらうと露出は一定に+2/3出ていることがわかった。
シャッタースピードの狂いはなし。
それならASA感度の設定をずらせば、オートだってOKじゃん!

本来ならジャンクコーナーのカゴに、
飽きたおもちゃのように入れられるはずだったこのME Super。
でも僕に見つけられたのがこのカメラの運命の分かれ目だった。
今は二代目主人のこの僕に、
心地いいシャッター音を聞かせてくれている。

萩原和幸
1969年、静岡県出身。
日々、中古カメラ店を巡りながら、
独自の目線でカメラやレンズ、アクセサリーをチェック。
お買い得品を探すのが好き。
仕事以外の撮影はフィルムカメラで行なうことがほとんど。
露出計も持たず、マニュアルで気ままに撮るのが撮影スタイル。
日本写真家協会(JPS)会員。
オフィシャルサイト:http://www.ikkyow.com/


カメラ名称:ペンタックスME Super
カテゴリー:一眼レフカメラ
画面サイズ:24×36mm
シャッタースピード:B、4~1/2000秒(電子制御式)
X=1/125秒(機械式)
大きさ・重量:W131.5×H83×D49.5mm、450g
中古市場:7,000円~15,000円