
カメラ:ニコンS2
レンズ:ニッコール-S50mmF1.4(オリンピックタイプ/復刻)
僕は中古カメラ屋さんが大好きで
時間を見つけてはしょっちゅう見て回る。
中古カメラとの出会いは一期一会なので、
その時手に入れないと、そのカメラとは二度と出会えない。
だから気に入ったカメラは『即決』買い。
ニコンS2を買った。
出会いはまさに神のお導き。
銀座の某カメラ屋さんでの購入だが、
その日はいつも最初に見るライカのコーナーではなくて、
なぜか入り口右手にある国産カメラの陳列棚から見始めた。
ニコンコーナーを眺めながら進むことしばし。
レンジファインダーコーナーのS2ボディのみでふと足が止まる。
僕はニコンS3を持っているが、
S3には35mm(当時の表記では3.5cm)を付けっぱなしにしている。理由は35mm枠が等倍ファインダーで見られるから。
でも、50mmも使いたい! 僕は無類の50mm好きなのだ。
ニコンSシリーズはレンズ交換が面倒なので、
焦点距離専用ボディが欲しくなる。S2には50mmの枠しかない。
言ってしまえば50mm専用みたいなものだ。
だからS2は気になっていた。しかも等倍ファインダー。
両目を開けて撮影する僕にはありがたいスペックなわけ。
価格を見ると…
えっ!? 本当に? 一瞬にして心ドキドキ。
他のお客さんが見ないうちに急いで店員さんを呼んでチェック。
どうやら、接眼部の革が剥がれているから値段が安いみたいだ。
でも実用だし、別に気にならない。中古は割り切りが必要だ。
シャッターを切ってみるといい音だ。
低速の「ジーッ、パタン!」、
1/8秒あたりの「カシャウウウン」という名残。
当時の技術とデザインセンスの高さを感じてしまう。
ファインダーもクリアで距離計もOK。改めて価格を聞き直す。
店員さんですら驚いたという。
でも委託品だから出品者の意向で価格は付けられている。
で、『即決』!
発売は1954年12月。僕のS3は復刻版で平成生産。
でもこのS2は日本が戦後から抜け出そうと、
国民みんなが精一杯張り切っていた、
リアル『ALWAYS 三丁目の夕日』時代の代物。
S2からその時代の気概を感じるよ。
そのカメラ屋さんは教会の上にある。
文字通り、神に導かれた出会いだった。
萩原和幸
1969年、静岡県出身。
日々、中古カメラ店を巡りながら、
独自の目線でカメラやレンズ、アクセサリーをチェック。
お買い得品を探すのが好き。
仕事以外の撮影はフィルムカメラで行なうことがほとんど。
露出計も持たず、マニュアルで気ままに撮るのが撮影スタイル。
日本写真家協会(JPS)会員。
オフィシャルサイト:http://www.ikkyow.com/
