CL Column
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上野 隆の「やっぱりフィルムが好き」

第5話「今こそカラーネガで撮る その2」
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日向と日陰、白い砂浜と青い空、そして人物・・・。
明暗差があるこんなシーンでも、ネガフィルムなら
安心して撮影できる。やり直しのきかないフィルム
撮影で、この安心感はとてもありがたい。

カメラ:FUJIFILM GF670 Professional
レンズ:EBCフジノン80mmF3.5
撮影データ:f11、シャッタースピード=オート
フィルム:フジカラー・プロ400

前回お話しした、第一線で活躍するプロ写真家達の言う
カラーネガにこそある「フィルムの良さ」とは何でしょう?

当たり前ですが、まずは映像を作り出すツールとしての性能が
非常に優れているから、ということが言えると思います。
具体的には、絶対的な階調再現領域の広さ、豊かな色再現性、
良好なミックス光適性、プリント時の幅広い補正対応力など・・・。

R・G・B各色を水平に分散して受け取る
一般的なデジタルカメラの撮像素子と違い、
感色層を垂直に重ね、理論上一点で(デジタルで言えば1画素上で)
全ての色を再現できるフィルムは、
連続した色再現、階調再現に優れ、それが立体感、質感となって
観る人に伝わります。そして、その性能は
リバーサルフィルムより、ネガフィルムの方が優れています。
また、フィルムのフォーマットが大きければ大きいほど、
その性能はさらに向上します。
中判や大判サイズのネガフィルムにこだわっている
写真家が多いのは、そういう画質に魅力があるから
といっても良いでしょう。

でも、どうやら技術的優位だけで
ネガフィルムを使っているわけではないようです。
ある時、知人の写真家がこう言っていました。
「確かにフィルムで撮影しても、
印刷物になる段階で最終的にはデジタル化されてしまう。
でも僕らはネガを直接スキャンさせることはほとんどない。
一度印画紙に焼くことで、自分の意図や個性をもう一度写真に
反映させることができ、それを印画紙の質感ごとスキャンさせる。
プリントには手間がかかるから、スキャン後に画像処理すればいい
という人がいるが、それとは全く意味が違う。
言ってみれば、画像ではなく写真が印刷物になるんだ。」
私はこの話を聞いて、彼らの言うネガフィルムが持つ
フィルムの良さが少し分かったような気がしました。
この続きは次回で・・・。

上野 隆
全国の写真教室や撮影会の講師として活動中。
写真撮影の技術ではなく、写真の楽しさをテーマにし
た授業内容が大好評。写真展や写真関連イベントのプ
ロデューサーとしても定評がある。
フィルム写真のアナリストとして、新聞、雑誌、各種
写真イベントへの登場多数。写真専門誌への寄稿多数。
フォトマスター検定「エキスパート」取得。
英国王立写真協会会員。
上野 隆氏が主宰する写真教室はこちら。