CL Column
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上野 隆の「やっぱりフィルムが好き」

第4話 「今こそカラーネガで撮る その1」
photo_04 カラーネガフィルムの実力はブローニーフィルムでより
発揮されると思う。特にプロ用ネガの豊かな階調再現性
と質感描写は本当に素晴らしい。

カメラ:ローライフレックス2.8F
レンズ:プラナー80mmF2.8
撮影データ:f4 1/125
フィルム:フジカラープロ400

今回からはフィルムの話を少々・・・。
ベテランの写真愛好家の方に好きなフィルム名を聞くと、
かなりの確率でリバーサルフィルムの名前が挙がります。
それも、高彩度でハイコントランストなタイプが多いですね。
これは花や自然風景といったいわゆる「ネイチャー写真」が
日本では人気だということと関係していると思います。

一方で、現在でもフィルムを使っているプロ写真家には、
実はカラーネガを使う人が多いのです。
特にファッションを中心としたコマーシャルフォトや
自らのテーマを写真集にまとめようとする
写真作家達の間でその傾向が顕著です。
何人かの人に理由を聞いたところ、
総じて「カラーネガにこそフィルムの良さが最も多く詰まっているから」
とのことでした。

7~8年ほど前まではプロが使うフィルムといえば
リバーサルが圧倒的。
しかし、デジタルカメラの性能が上がるにつれてリバーサルの
使用量は急激に減りました。理由はいくつかありますが、
最も大きいのはコストとスピードアップでしょう。
プロの撮る写真は印刷媒体に使用することが非常に多いです。
印刷の世界は写真フィルムより一足早くデジタル化していましたから、
フィルムで撮られた写真はスキャナでデジタル化する必要が
ありました。だからこそスキャナ適性に優れるリバーサルが
使われていたということもいえます。
ところが、デジタルカメラで「直撮」すればその手間は省けます。
現像の必要がないため撮った写真をすぐに入稿することもできます。
結果、大きなコストダウンとスピードアップが達成できるのです。
プロ分野のデジタル化はいわば時代の必然だったといえます。

では、なぜ一部の写真家はリバーサルから
ネガにシフトしたのでしょう?
ネガは現像だけでなくプリントという手間も増えてしまいます。
工程の短縮どころか、
余計な作業を一つ増やしてしまっています。
でも、彼らにはそうまでしてネガを使いたい理由があるのです。
それが冒頭でお話しした「フィルムの良さが詰まっているから」。
では、その「フィルムの良さ」って何なのでしょうか?
このお話は次回で・・・。

上野 隆
全国の写真教室や撮影会の講師として活動中。
写真撮影の技術ではなく、写真の楽しさをテーマにし
た授業内容が大好評。写真展や写真関連イベントのプ
ロデューサーとしても定評がある。
フィルム写真のアナリストとして、新聞、雑誌、各種
写真イベントへの登場多数。写真専門誌への寄稿多数。
フォトマスター検定「エキスパート」取得。
英国王立写真協会会員。
上野 隆氏が主宰する写真教室はこちら。