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	<title>カメラ・ライフ Web Site &#187; CL Column</title>
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	<description>カメラは毎日を楽しくハッピーにする</description>
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		<title>♯07 お礼の旅～幾春別</title>
		<link>http://cameralife.jp/cl-column/2293</link>
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		<pubDate>Thu, 01 Jul 2010 05:12:27 +0000</pubDate>
		<dc:creator>CL編集部</dc:creator>
				<category><![CDATA[CL Column]]></category>
		<category><![CDATA[神戸眞平の「北海道に恋した風」]]></category>

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		<description><![CDATA[トラベルグラファー・神戸眞平さんによる旅エッセイ「北海道に恋した風」。第7回目は「お礼の旅～幾春別」です。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img src="http://cameralife.jp/wp/wp-content/uploads/2010/07/70da3a77856be0cd1451b8a6f190edfb.jpg" alt="" title="" width="670" height="447" class="alignleft size-full wp-image-2295" /><br />
撮影地：幾春別　OLYMPUS OM-1N  ZUIKO50mmF1.8　f8　1/250　NEOPAN400PRESTO<br />
<br />
北海道で怪我をして東京に戻ってから、<br />
先生に指示された通り、すぐに外科の病院へ行った。<br />
幸いなことに傷口はすでに塞がって、縫う必要はなかった。<br />
ひと月ほどして、傷がほぼ治ったところで、<br />
お世話になったお礼を言うために、僕は再び北海道へ行くことにした。</p>
<p>新千歳空港から岩見沢まで列車に乗り、<br />
岩見沢からは記憶を頼りに、幾春別行きのバスに乗った。<br />
終点でバスを降りると、お世話になった病院はすぐ近くにあった。<br />
町の中を少し歩いてから病院の中に入り、お礼を言いに来たことを告げると、<br />
受付の女性は、ちょっと驚いたような顔をして、<br />
「先生を呼んできます」と言うと、奥へと消えていった。<br />
しばらくすると、白衣を着た女性がやって来た。<br />
男の先生が現れると思っていたので、少し戸惑っていると、<br />
その女性は、「母です」と言った。<br />
どうやら親子２代の病院のようで、治療してくださったのは息子さんのようだった。<br />
母親先生は、怪我のことを息子先生から聞いていて、<br />
「あなただったんですね」と言いながら、僕の顔をしげしげと眺めた。<br />
心配してくださっていたらしい。<br />
残念ながら息子先生は、来週にならないと戻らないという。<br />
母親先生はカルテと傷口を見ながら、「無事に治ってよかったですね」と言った。<br />
息子先生と同じように、母親先生もとても優しくて、<br />
血の繋がりというものは、やはりあるものだと実感した。<br />
帰りがけに、「東京の人から見て、このあたりはどんな感じですか」と聞かれたので、<br />
「静かでとてもよいところだと思います」と、素直にお答えした。</p>
<p>病院でのお礼を済ませてから、三笠のターミナルに戻り、<br />
今度は駐在所にお礼を言うために、別のバスに乗り込んだ。<br />
バスの運転手さんが僕を見て、「さっき、幾春別行きに乗っていた人でしょ」と言った。<br />
駐在所に近いバス停を教えてもらって降りると、駐在所はまさに目の前だった。<br />
しかし、残念なことに中には誰もおらず、<br />
不在にしていますという札と、用件承り帳が置いてあるだけだった。<br />
しばらく待ったが誰も戻って来ないので、訪れた理由を書き置きして、<br />
そばにあった電話帳で駐在所の電話番号を調べて、東京から電話をすることにした。<br />
お巡りさんに会うことができれば、お礼が言えたし、<br />
札幌のご夫婦のことも教えてもらえたかもしれないと思うと、ちょっと残念だった。</p>
<p>東京に戻ってから、駐在所に何度か電話をしたが、<br />
結局つながらずに、そのままになってしまった。<br />
巡回していることが多く、駐在所にいる時間が少ないのかもしれないし、<br />
電話番号を間違えてメモしてしまったのかもしれない。<br />
こうしてみると、親切なご夫婦が車で通りかかったことも、<br />
お巡りさんが駐在所にいてくれたことも、<br />
優しい先生と看護婦さんがいる病院に運ばれたことも、<br />
怪我をしたこと以外は、すべて運がよかったのかもしれない。<br />
顔に少し傷が残ってしまったが、<br />
幾春別への旅は、僕にいろいろなことを教えてくれたのだった。</p>
<p><strong>写真・文　神戸眞平</strong>（ごうど しんぺい／トラベルグラファー）</p>
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		<title>第9話「ベタ焼き体験のすすめ」</title>
		<link>http://cameralife.jp/cl-column/1947</link>
		<comments>http://cameralife.jp/cl-column/1947#comments</comments>
		<pubDate>Thu, 03 Jun 2010 05:47:32 +0000</pubDate>
		<dc:creator>CL編集部</dc:creator>
				<category><![CDATA[CL Column]]></category>
		<category><![CDATA[上野 隆の「やっぱりフィルムが好き」]]></category>

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		<description><![CDATA[上野 隆さんによる大好評コラム<br/>
「やっぱりフィルムが好き！」の連載第9話。<br/>今回のテーマは「ベタ焼き体験のすすめ」です。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<div class="forcolumn">
<div class="imagebox">
<img src="http://cameralife.jp/wp/wp-content/uploads/2010/06/09.jpg" alt="" title="" width="300" height="223" class="alignleft size-full wp-image-1949" /><br />
ベタ焼きの中でも6×6のベタ焼きが一番好きだ。<br />
十分鑑賞に堪える大きさなので、そのままアル<br />
バムに貼ってもお洒落だと思う。
</div>
<div class="columnbox">
前回、カラーネガはプリントして初めて発色するので、<br />
ミニラボの同時プリントで自動補正をかけてしまうと<br />
フィルムの個性や撮影者の意図が薄まるという話をしました。<br />
今回はその対策として最も確実な方法である「ベタ焼き」について<br />
お話ししましょう。</p>
<p>ベタ焼きとは通常六切～四切の印画紙にネガを密着焼きしたもので、<br />
モノクロフィルムを愛用している人には今でも当たり前の方法です。<br />
ただ、現在カラーネガでこの仕上げを頼んでいるのはプロ写真家と<br />
一部のハイアマチュアくらいではないでしょうか？<br />
その最大の理由は価格が高いことと納期が長いことでしょう。<br />
それでもカラーネガを使うなら最善の仕上げ方だと<br />
個人的には思います。特にブローニーフィルムを<br />
使っている人には絶対おすすめです。</p>
<p>ベタ焼きは全てのコマを一度に焼き付けます。<br />
よって各コマの露出や色を補正したりはできません。<br />
その結果、プラス補正したコマは露出オーバーに、<br />
フィルターで色補正したコマはちゃんと<br />
補正された色で仕上がってきます。<br />
前回お話しした自動補正は機能しないわけです。<br />
使い方は、簡単に言えばライトボックスのいらない<br />
リバーサルフィルムみたいなものです。<br />
ベタ焼きで露出や色や構図を確認し、<br />
ルーペでピントをチェックしながら気に入ったコマだけを<br />
引き伸ばす。失敗作をプリントする必要がないので<br />
無駄な写真が増えないこともメリットですね。<br />
四切プリントファイルにベタ焼きとネガを重ねて入れておけば、<br />
焼き増しする際にも必要なネガがすぐに探せます。<br />
また、ベタ焼きをテストプリントとして活用することもできます。<br />
例えば、ベタ焼きの印画紙を本番で使う面種（マットやクリスタル等）と統一しておき、仕上がりイメージの参考にするとか、<br />
トリミング見本や色見本として使うなど･･･。<br />
35㎜だとさすがにちょっと分かりにくいですが、<br />
ブローニーなら十分実用になります。</p>
<p>ラボでベタ焼きを見ながらプリンターマンと<br />
仕上げについて議論している写真家を見ると<br />
「プロっぽくてカッコいいなぁ」と思うことがあります。<br />
でも、なぜかパソコンでフォトショップを操作している<br />
写真家を見ても同じ様にカッコいいとは思わないです。<br />
もちろんこれは個人的な感想ですけど。<br />
コダックが手焼き用印画紙の生産中止を発表するなど<br />
感光材を取り巻く環境はますます悪化しており、<br />
正直この先いつまでベタ焼きが注文できるのか分かりません。<br />
ただ、やっぱり私は便利さやコストを最優先してパソコンを相手にするより、<br />
面倒なベタ焼きと職人気質のプリンターマンを<br />
相手にしながらできるだけ長く<br />
「カッコいい写真愛好家」でいたいものだ、と思っています。</p>
<p><strong>上野　隆</strong><br />
全国の写真教室や撮影会の講師として活動中。<br />
写真撮影の技術ではなく、写真の楽しさをテーマにし<br />
た授業内容が大好評。写真展や写真関連イベントのプ<br />
ロデューサーとしても定評がある。<br />
フィルム写真のアナリストとして、新聞、雑誌、各種<br />
写真イベントへの登場多数。写真専門誌への寄稿多数。<br />
フォトマスター検定「エキスパート」取得。<br />
英国王立写真協会会員。<br />
上野 隆氏が主宰する写真教室は<span class="m_link2"><a href="http://www.fujifilm.co.jp/photoent/index.html">こちら。</a><span>
</div>
</div>
<p><br clear="all"></p>
]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>♯06 顔面強打～三笠</title>
		<link>http://cameralife.jp/cl-column/1941</link>
		<comments>http://cameralife.jp/cl-column/1941#comments</comments>
		<pubDate>Wed, 02 Jun 2010 01:41:22 +0000</pubDate>
		<dc:creator>CL編集部</dc:creator>
				<category><![CDATA[CL Column]]></category>
		<category><![CDATA[神戸眞平の「北海道に恋した風」]]></category>

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		<description><![CDATA[トラベルグラファー・神戸眞平さんによる旅エッセイ「北海道に恋した風」。第6回目は「顔面強打～三笠」です。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img src="http://cameralife.jp/wp/wp-content/uploads/2010/06/06.jpg" alt="" title="" width="670" height="447" class="alignleft size-full wp-image-1942" /><br />
撮影地：万字　OLYMPUS OM-1N　ZUIKO35mmF2　f4　1/30　NEOPAN400PRESTO<br />
<br />
三笠ターミナルから発車したバスに、あてもなく飛び乗った。<br />
終点で降りたのは僕ひとりで、あたりには何もなかった。<br />
坂道を登っていくと、小さな水の流れがあったので、<br />
少し遠回りをして、渡りやすそうなところで流れを越えた。<br />
帰りにまた流れのところに来た時、遠回りをするのがちょっと面倒になった。<br />
よく見ると飛べそうな幅なので、思い切って飛んでみた。<br />
しかし、飛ぶには飛んだが、勢いがついたまま足がもつれて、<br />
石だらけの地面に、顔からそのまま激突した。</p>
<p>起き上がると、眼鏡はひしゃげ、携帯電話は遠くにすっ飛んでいた。<br />
さらに驚いたことには、地面に大量の血が流れ落ちていた。<br />
あわてて鏡を取り出して見ると、眉間が割れている。<br />
凶器攻撃を受けたブッチャーみたいだ。<br />
とりあえず薬屋に行かねばと、ハンカチで顔を押さえながら坂道を下っていく。<br />
こんな道は誰も通らないだろうと思っていたが、たまたま1台の軽自動車が通りかかった。<br />
呼び止めようかと躊躇していると、車は少し通りすぎて自然と止まった。<br />
車から降りてきたご夫婦が驚いて、「熊に襲われたんですか」と声をかけてきた。<br />
事情を説明して、薬屋まで乗せて欲しいとお願いしたところ、<br />
「この傷は病院に行かないとだめです」と言われ、乗せていただくことになった。<br />
「タロちゃん、心配ないわよ」と、奥さんが後部座席に乗っている大型犬に声をかけるが、<br />
突然乗り込んできた血まみれ男に驚いて、タロちゃんは完全に固まってしまっている。<br />
ご夫婦は札幌に住んでいて、三笠の地理に詳しくないということで、<br />
たまたま見つけた駐在所へ、ご主人が病院の場所を聞きに行ってくれた。<br />
しばらくしてから、「世の中は狭いね。Tさんがいたよ」と笑いながら戻ってきた。<br />
以前、近所にいたお巡りさんが札幌から転勤になって、この駐在所にいたらしい。<br />
「怪我人がいるのに、話し込んでちゃだめでしょ」と、ご主人は奥さんに怒られていた。<br />
駐在所で休日診療をしている病院を教えてもらい、連れていってもらえることになった。</p>
<p>病院に着くと、先生は僕を見るなり、「ありゃー」と声を出した。<br />
そこは内科の病院だったので、血だらけの患者は珍しいのかもしれない。<br />
外科の病院を捜してもらったが、休日で電話がつながらず、<br />
結局その病院で、できる限りの処置をしてくれることになった。<br />
若い看護婦さんが点滴の針を刺そうとするが、<br />
動揺しているのか上手くいかず、僕の腕をプスプスと突きまくっていた。<br />
しかし、顔の怪我に比べれば、たいしたことではない。<br />
先生と数人の看護婦さんがつきっきりで処置をしてくれて、<br />
気がつくと、病院に運ばれてから4時間以上が経過していた。<br />
とりあえず応急処置が終わり、しばらく休んで落ち着いたところで、<br />
先生と看護婦さんが、近くのバス停まで僕を送ってくれた。<br />
先生はバスの運転手さんに、「怪我をしているので、安全運転で」とお願いをしてくれた。<br />
看護婦さんは僕に、「ハンカチをどうぞ」と渡してくれた。<br />
真っ赤に染まっていたハンカチは、きれいなブルーに戻っていた。</p>
<p>この状態で旅は続けられないので、東京に戻ることにした。<br />
空港で飛行機を待つ間、男の子が僕のことをじろじろと見ていた。<br />
僕の顔にはカタカナの「エ」の字の形に、大きな包帯と絆創膏が貼られている。<br />
鏡で見ると、ちょっと笑ってしまうような間抜けな顔だ。<br />
その顔を見ながら、怪我が治ったら再びお礼に来ようと思った。</p>
<p><strong>写真・文　神戸眞平</strong>（ごうど しんぺい／トラベルグラファー）</p>
]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>♯05 途中下車で出会った町～森</title>
		<link>http://cameralife.jp/cl-column/1925</link>
		<comments>http://cameralife.jp/cl-column/1925#comments</comments>
		<pubDate>Thu, 06 May 2010 03:05:51 +0000</pubDate>
		<dc:creator>CL編集部</dc:creator>
				<category><![CDATA[CL Column]]></category>
		<category><![CDATA[神戸眞平の「北海道に恋した風」]]></category>

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		<description><![CDATA[トラベルグラファー・神戸眞平さんによる旅エッセイ「北海道に恋した風」。第5回目は「途中下車で出会った町～森」です。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img src="http://cameralife.jp/wp/wp-content/uploads/2010/05/2d58955e71d659100f93cc635b29cfb8.jpg" alt="" title="" width="670" height="447" class="alignleft size-full wp-image-1928" /><br />
撮影地：森　OLYMPUS OM-1N　ZUIKO 28mm F3.5　f8　1/125　NEOPAN400PRESTO<br />
<br />
空はどんよりと曇り、海には霧がかかっていた。<br />
空と海との境界は、はっきりしなくなっている。<br />
そんな中をなんとなく歩いてみたくなって、森駅で途中下車をした。<br />
荷物を少なくするために、カメラ以外のものはコインロッカーに入れておく。<br />
百円玉を2枚を入れると閉まるには閉まったが、<br />
再び開くのか心配になるほど、ぼろぼろのコインロッカーだった。</p>
<p>町の中のあちらこちらに、桜まつりのポスターが貼られていた。<br />
会場の公園に行ってみると桜は満開で、多くの人で賑わっていた。<br />
露店で森名物のいかめしと缶ビールを買い、桜の木の下でごろりと横になる。<br />
熱々のいかめしを食べて冷たいビールを飲むと、とても幸せな気分だ。<br />
会場ではラジオの公開放送をやっていて、演歌歌手の歌声が流れていた。<br />
その声を聴いていると酔いも手伝って、うたた寝をしてしまった。<br />
しばらくしてステージに行ってみると、すでに放送は終わっていたが、<br />
森町出身の歌手が、地元の人たちと輪になって踊りながら歌っていた。<br />
あたりには、あたたかな空気が流れていた。</p>
<p>桜まつりの会場を後にして歩いていると、右腕に軽い衝撃を感じた。<br />
見るとセーターの肩から腕にかけて、白と茶のまだら模様になっている。<br />
空を見上げると、電信柱にカモメが止まっている。<br />
やりやがったなとカモメを睨むが、カモメは素知らぬ顔だ。<br />
一体何を食べると、こんなマーブル状のドロドロが排出されるのだろうか。<br />
ティッシュペーパーを出そうとしながら、ふと前方を見ると、<br />
道路に自転車と子供が横たわっている。<br />
トラックを避けようとして、転倒したらしい。<br />
助けなければと思いつつも、こちらもカモメの糞まみれだ。<br />
究極の選択を迫られた僕は、自分のことを優先させてしまった。<br />
糞の除去にほぼ成功した時、すでに子供はトラックの運転手に助け起こされて、<br />
無事に自転車をこいで走り去っていくところだった。<br />
やはり助けに行くのが先だったかと、僕は心の中で反省した。<br />
 　<br />
ホテルでセーターを洗ってから、夕食をとりに近くの食堂に入った。<br />
空いているテーブルに座ると、ご主人が気を利かせて暖房を入れてくれた。<br />
しかし、スイッチを入れると同時に、熱風が僕の左側頭部を直撃した。<br />
せっかくのご厚意なので、しばらくは我慢していたが、<br />
頭の右と左の温度が明らかに違ってきたので、暖房を止めてもらった。<br />
ご主人は、僕の料理を作っている真っ最中にトイレに行くという暴挙に出たが、<br />
せめて手は洗ってくれているものと信じたかった。<br />
ホテルに戻ってベッドで寝ていると、誰かがスピーカーで叫んでいる。<br />
窓から外を見ると、アイスクリームの移動販売車だ。<br />
こんな時間にこんな場所で商売になるのだろうかと、しばらく見ていたが、<br />
花冷えの夜にアイスクリームを買いに来る人は、ひとりもいなかった。</p>
<p>うたた寝をしたせいか、カモメに糞をかけられたせいか、熱風が直撃したせいか、<br />
ご主人が手を洗わなかったせいか、アイスクリーム売りに叩き起こされたせいか、<br />
その夜、僕は体調を悪くしてしまった。<br />
しかし、僕は何だかこの町が気に入って、それから何度も訪れることになるのだった。</p>
<p><strong>写真・文　神戸眞平</strong>（ごうど しんぺい／トラベルグラファー）</p>
]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>「ZEISS IKON NETTARの話」</title>
		<link>http://cameralife.jp/cl-column/1896</link>
		<comments>http://cameralife.jp/cl-column/1896#comments</comments>
		<pubDate>Thu, 22 Apr 2010 03:29:28 +0000</pubDate>
		<dc:creator>CL編集部</dc:creator>
				<category><![CDATA[CL Column]]></category>
		<category><![CDATA[萩原和幸の「寝ても覚めてもカメラ」]]></category>

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		<description><![CDATA[萩原和幸さんによる好評カメラコラム
「寝ても覚めてもカメラ」の連載第4話。
今回のカメラは「ZEISS IKON NETTAR」です。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://cameralife.jp/cl-column/1896/attachment/img022-1-1" rel="attachment wp-att-1897"><img src="http://cameralife.jp/wp/wp-content/uploads/2010/04/img022-1-1.jpg" alt="" title="" width="608" height="391" class="aligncenter size-full wp-image-1897" /></a><br />
カメラ：ZEISS IKON NETTAR Ⅱc 518/2<br />
レンズ：Nover-Anastigmat  105mmF4.5</p>
<div class="forcolumn">
<div class="columnbox">
手作りお菓子のお店をやっている知り合いがいる。<br />
とても可愛いお店なので、そのお店にインテリアとして置くための<br />
古いカメラをプレゼントしようかと考えていた。<br />
インテリアとして置くのならば、<br />
蛇腹のスプリングカメラが似合いそうだ。<br />
中古カメラ店をのぞく時に<br />
蛇腹スプリングカメラを頭に入れておくことに。</p>
<p>数日後、行きつけの中古カメラ店できれいなカメラに目が留った。<br />
それが『ZEISS IKON NETTAR Ⅱc 518/2』。<br />
高級蛇腹スプリングカメラ『IKONTA』の<br />
廉価版として発売されたカメラだ。<br />
ケースから取り出してもらい、じっくりと観察。<br />
見れば見るほどきれいだ。レンズは曇りもホコリもない。<br />
ファインダーもクリアだ。なにより蛇腹がまったく痛んでいない。<br />
前のオーナーがいかに大事に使っていたかがわかる。</p>
<p>このカメラは出所がはっきりしていた。<br />
前のオーナーが直接このカメラ店に引き取りをお願いにきたそうだ。<br />
その方は僕の親くらいの年齢の婦人で、<br />
新品でこのカメラをご自身で買われたとのこと。<br />
NETTAR 518/2の製造期間は1949～1957年。<br />
レンズがコーティングされていることと、<br />
ボディに入った二本線から、おそらく最終型だ。<br />
だとすれば、一番最後の製造だとしても、今から53年前にもなる。<br />
失礼だが当時カメラは高級品で、<br />
女性がカメラを持つことも珍しかっただろうし、<br />
年齢を考えると購入にはかなりの覚悟が必要だったはず。<br />
購入する時に「本当に貴女が使うんですか？」と、<br />
何度も質問されたとのことだ。<br />
きっと大変な思いをして買ったカメラだから、<br />
大切な行事の時に撮影して、普段は大事にしまっておいたのだろう。<br />
話を聞いたら、どうしても手元に置いておきたくなった。<br />
前のオーナーに敬意を表す意味で<br />
インテリアに落ち着かせるのではなく<br />
現役のカメラとして使いたくなった。<br />
畳めば非常にコンパクト。<br />
これで中判が撮れるとなれば、どこにでも持ち出したい。</p>
<p>僕にしては珍しく相場より高値で購入した。<br />
でもコンディションを考えると妥当に思えた。<br />
何より元々相場はかなり安価なカメラなので、<br />
ちょっと高いとしても知れている。<br />
納得のいくカメラなら、たまにはこんな買い方もいいものだ。</p>
<p><strong>萩原和幸</strong><br />
1969年、静岡県出身。<br />
日々、中古カメラ店を巡りながら、<br />
独自の目線でカメラやレンズ、アクセサリーをチェック。<br />
お買い得品を探すのが好き。<br />
仕事以外の撮影はフィルムカメラで行なうことがほとんど。<br />
露出計も持たず、マニュアルで気ままに撮るのが撮影スタイル。<br />
日本写真家協会（JPS）会員。<br />
オフィシャルサイト：<a href="http://www.ikkyow.com/">http://www.ikkyow.com/</a>
</div>
<div class="imagebox">
<a href="http://cameralife.jp/cl-column/1896/attachment/_mg_1470" rel="attachment wp-att-1898"><img src="http://cameralife.jp/wp/wp-content/uploads/2010/04/MG_1470.jpg" alt="" title="" width="200" height="133" class="aligncenter size-full wp-image-1898" /></a><br />
カメラ名称：ZEISS IKON NETTAR Ⅱc 518/2<br />
カテゴリー：蛇腹スプリングカメラ<br />
画面サイズ：6×9cm判<br />
シャッタースピード：B、1/25～1/200秒<br />
レンズ：Nover-Anastigmat  105mmF4.5<br />
大きさ・重量：W160×H95×130mm（折りたたみ時45mm）、771g<br />
中古相場：8,000～20,000円</div>
</div>
<p><br clear="all"></p>
]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>♯04 寝台車の女性を捜して～根室</title>
		<link>http://cameralife.jp/cl-column/1661</link>
		<comments>http://cameralife.jp/cl-column/1661#comments</comments>
		<pubDate>Thu, 01 Apr 2010 02:33:48 +0000</pubDate>
		<dc:creator>CL編集部</dc:creator>
				<category><![CDATA[CL Column]]></category>
		<category><![CDATA[神戸眞平の「北海道に恋した風」]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://cameralife.jp/?p=1661</guid>
		<description><![CDATA[トラベルグラファー・神戸眞平さんによる旅エッセイ「北海道に恋した風」。第4回目は第1回目のお話の続きです。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img src="http://cameralife.jp/wp/wp-content/uploads/2010/04/733b614f12789cc8be7ef7eb1a856ad3.jpg" alt="" title="" width="670" height="447" class="alignleft size-full wp-image-1663" /><br />
撮影地：花咲　OLYMPUS OM-1N　ZUIKO 50mm F1.8　f11　1/500　NEOPAN400PRESTO<br />
<br />
釧路へ向かう寝台車でＹさんに出会ってから半年後、<br />
僕はまた、北海道に行くことにした。<br />
いつもはあてのない風来坊の旅が多いが、<br />
今回は、寝台車で撮らせてもらった写真とおみやげを持って、<br />
彼女が住む根室を訪れることにした。<br />
こういう機会がないと、根室に行くことはそうはないだろう。<br />
とはいっても、彼女の下の名前も住所も聞きそびれてしまい、<br />
わかっているのは「根室のエレクトーンのＹ先生」ということだけだった。<br />
しかし、何とか見つかるのではないかと思い、<br />
捜す猶予は１日だけ、というルールを自分で決めて、根室へと旅立った。</p>
<p>陸路経由で津軽海峡を渡り、ようやく根室駅に着いて、深呼吸をひとつ。<br />
東京から根室は、やはり遥かに遠かった。<br />
まずは駅前の交番に入って、「ごめんください」と声をかけてみる。<br />
しかし、巡回中なのか、呼べど叫べどネコ１匹出て来ない。<br />
仕方がないので自力で探すことにして、電話ボックスに入る。<br />
エレクトーンはヤマハの製品なので、<br />
ヤマハ関係で調べれば何かわかるだろうと、電話帳を開いてみた。<br />
東京のものとは比べものにならないほど薄い電話帳には、<br />
ヤマハの名前のついている店は、ひとつしか載っていなかった。<br />
早速、そこに電話をしてみると、「うちは違います」という答えが返ってきた。<br />
ヤマハはヤマハでも、船のエンジンを扱っている店のようだ。<br />
空振りかと思ったが、「エレクトーンだったら、Ｋ時計店だと思いますよ」と教えてくれた。<br />
すぐに案内ができるということは、この手の間違い電話が多いのかもしれない。<br />
時計店でエレクトーンというのも妙な気がしたが、<br />
Ｋ時計店の電話番号を調べて電話をしてみた。<br />
すると、確かにエレクトーン教室をやっていて、Ｙという苗字の先生がいることもわかった。<br />
電話帳に載っている住所と、駅にある看板地図を見比べてみると、<br />
それほど遠くはなさそうなので、とにかくＫ時計店に行ってみることにした。<br />
途中で迷いつつも、郵便配達の人が丁寧に道を教えてくれて、<br />
10分ほどで無事にたどり着くことができた。<br />
Ｋ時計店は、時計以外に楽器やレコードも扱っている大きな店だった。</p>
<p>店に入ると、何人かの店員さんが丁寧に出迎えてくれた。<br />
僕の電話に応対した男性に、かくかくしかじかで尋ねて来ましたと説明をして、<br />
彼女の写真を見てもらうと、確かにＹ先生だと確認が取れた。<br />
しかし、あいにくその日はレッスンがお休みで、彼女は店に来ていなかった。<br />
「せっかくですから、先生を呼びましょう」と、男性が電話の受話器に手を伸ばした。<br />
そうは言っても、休みの日に呼び出すのは申し訳ない気がした。<br />
会えたら会えた、会えなかったら会えなかったで、それも良い。<br />
白いフレームに入れた写真とおみやげを置いて、お礼を言って店を出た。<br />
わずか５分ほどの滞在だった。<br />
思っていたよりも簡単に捜し出せてしまい、午後はすることがなくなってしまった。<br />
はるばる根室までやって来たのだ。<br />
どこへ行こうかと少し考えて、僕は納沙布岬へ向かうバスに乗り込んだ。</p>
<p>あれからもう、どれほどの年月が過ぎただろうか。<br />
彼女はいまも元気に、根室でエレクトーンの先生をしているのだろうか。</p>
<p><strong>写真・文　神戸眞平</strong>（ごうど しんぺい／トラベルグラファー）</p>
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		<title>04:写真展とワークショップのお知らせ</title>
		<link>http://cameralife.jp/cl-column/1632</link>
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		<pubDate>Thu, 18 Mar 2010 03:36:49 +0000</pubDate>
		<dc:creator>0139</dc:creator>
				<category><![CDATA[CL Column]]></category>
		<category><![CDATA[写真家・藤田一咲の脱力コラム]]></category>

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		<description><![CDATA[写真家・藤田一咲さんによるコラム。<br/>「写真展 SENSEとワークショップ」のご案内。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img src="http://cameralife.jp/wp/wp-content/uploads/2010/03/gxr01web.jpg" alt="" title="gxr01web" width="460" height="310" class="alignnone size-full wp-image-1635" /><br />
<img src="http://cameralife.jp/wp/wp-content/uploads/2010/03/gxr02web.jpg" alt="" title="gxr02web" width="460" height="306" class="alignnone size-full wp-image-1636" /></p>
<p>こんにちは！<br />
脱力＋気まぐれ＋ましかく写真家・藤田一咲（いっさく）です。<br />
今、リコーのフォトギャラリー〈RING CUBE・リングキューブ〉では、<br />
ぼくも参加している写真展が開催されています。<br />
また、4月には、ぼくのワークショップを開催しますので、<br />
どうぞ、よろしく！ お願いします。<br />
写真展は「SENSE -12人の表現者たち」<br />
場所は銀座・<a href="http://www.ricoh.co.jp/dc/ringcube/index.html">【RING CUBE】</a><br />
開催は3月28日（日）まで。入場無料 11:00ー20:00 火曜休館<br />
12人の写真家がリコーのユニット交換式コンパクトデジタルカメラGXRを使って撮影した作品を展示。<br />
12人の写真家［敬称略］：<br />
安達ロベルト ／阿部秀之／ 飯塚達央／ 小澤太一／ 清水哲朗／ テラウチマサト／塙 真一／前川貴行<br />
 森谷修 ／ハービー・山口／横木安良夫／藤田一咲<br />
みなさんそれぞれ個性的な視点で、<br />
GXRを駆使した作品はとても内容が濃いです。<br />
写真は半切くらいに大きくプリントされています。<br />
ぜひ、GXRの描写力の素晴らしさを大きなプリントでお楽しみください。<br />
写真展・くわしくは：<a href="http://www.ricoh.co.jp/dc/ringcube/event/sense_gxr.html">【こちら】</a><br />
ワークショップは<br />
銀座撮影会〈ギンザスナップス〉<br />
「春の銀座を撮ろう！」というテーマ。<br />
限定10名様です。<br />
脱力体写真を実体験してみませんか？<br />
開催日は4月3日（土）。時間は13時〜17時。<br />
全1回完了<br />
ワークショップ概要［リコーリングキューブ案内より］<br />
コンパクトデジカメでスナップ撮影を楽しみましょう！<br />
今回は写真家の藤田一咲さんを講師に迎え、<br />
撮影をより楽しむためのポイントをお話しいただきます。<br />
その後、カメラを持って街へ！ 銀座での撮影をお楽しみください。<br />
撮影後はRING CUBEに戻り、撮ったばかりの作品を発表していただきます。<br />
※当日撮影した中からお気に入りの作品をプリントしてお持ち帰りいただけます。<br />
※各自コンパクトデジタルカメラをご持参ください。（メーカー・機種は問いません）<br />
カメラをお持ちでない方への貸し出しもいたします。<br />
※SDカード等はご用意ください。<br />
定員：10名<br />
費用：4,500円<br />
（一咲よりひと言：高く感じますが、外に出ての撮影のため、その保険料金も含まれるためです）<br />
※ワークショップ当日、受付時に9Fインフォメーションにてお支払い下さい。<br />
恐れ入りますが、なるべくおつりのないようにお願いいたします。<br />
※ワークショップお申し込み後のキャンセルはできません。予めご了承ください。<br />
くわしくは：<a href="http://www.ricoh.co.jp/dc/ringcube/workshop/index.html">【こちら】</a><br />
お申し込みは：<a href="https://www.mlsvc.ricoh.co.jp/regist/is?SMPFORM=le-mat-6d867f407a6752b7273f151c53630d1a">【こちら】</a><br />
よろしく！　ラブ＋ピース！ です。</p>
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		<title>♯03 オホーツクに落ちた青年～北浜</title>
		<link>http://cameralife.jp/cl-column/1614</link>
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		<pubDate>Tue, 02 Mar 2010 01:30:10 +0000</pubDate>
		<dc:creator>CL編集部</dc:creator>
				<category><![CDATA[CL Column]]></category>
		<category><![CDATA[神戸眞平の「北海道に恋した風」]]></category>

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		<description><![CDATA[トラベルグラファー・神戸眞平さんによる旅エッセイ「北海道に恋した風」。第3回目は北浜でのお話です。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img src="http://cameralife.jp/wp/wp-content/uploads/2010/03/goudo_column.jpg" alt="" title="" width="670" height="447" class="alignnone size-full wp-image-1615" /></a><br />
撮影地：藻琴　OLYMPUS OM-1N　ZUIKO 2８mm F3.5　ｆ11　1/250　NEOPAN400PRESTO<br />
<br />
斜里駅から、網走行きの列車に乗った。<br />
乗客はまばらで、車内はとても静かだ。<br />
鉛色の空の下、流氷がびっしりと敷きつめられたオホーツク海を眺めながら、<br />
キオスクで買ったパンをかじっていると、ほどなく北浜駅に到着した。</p>
<p>北浜は流氷に一番近い駅と言われるだけあって、駅から流氷までは目と鼻の先だ。<br />
しばらく歩いて海岸に降りて、ひとり静かに流氷を眺めていると、背後から、<br />
「流氷やないですかあ！」という大きな声が聞こえてきた。<br />
振り返ると、ひとりの青年がこちらに向かって全速力で走って来る。<br />
あたりを見回してみたが、青年と僕しかいないので、<br />
彼は僕に話しかけているつもりなのか、<br />
そうでないとすると、とてつもなく大きなひとり言なのだろう。<br />
青年は、僕に気づいていないかのように走り抜けると、そのまま流氷に跳び乗った。<br />
そして、ゆらゆら揺れる氷の上を、ぴょんぴょん跳び移りながら、<br />
「乗れるやないですかあ！」と、また誰に話しているともわからない大声を出しながら、<br />
どんどん沖へと向かっていった。<br />
浮いている氷の上に乗るのは危ないなあ、と思いながら見ていると、<br />
ドッボーンという音がして、<br />
青年は突然、僕の視界から消えた。<br />
一瞬の静寂の後、「シャレにならんがなあ！」という叫び声と、<br />
バシャバシャもがいている青年の姿が見えた。<br />
さすが、関西人だ。　<br />
普通ならば「助けて！」と叫ぶところなのに、<br />
氷の海に落ちても「シャレにならんがなあ！」を連発して、お笑いの心を忘れない。<br />
助けようかと思う間もなく、青年は自力で氷の上に戻ってきた。<br />
さすが、関西人はパワフルで生命力も強い。<br />
青年は再び「シャレにならんがなあ！」と大きく叫ぶと、<br />
今度は「さっぶう～」と、寒がりはじめた。<br />
それはそうだろう。　氷の海に落ちたのだから、寒いに決まっている。<br />
「さっぶう～、さっぶう～」を連発しながら、<br />
彼は来た時と同じく、僕に気づいていないかのように、<br />
来た時をさらに上回るスピードで走り去っていった。<br />
その後ろ姿は、ウルトラＱに出てくるケムール人のようだった。</p>
<p>目の前で勝手にどんどん進んでいく出来事に、やや呆気にとられつつ、<br />
写真を撮りながらしばらく歩き、駅へと戻った。<br />
冷えた体を温めようと、近くにある喫茶店に入った。<br />
テーブルは4組のお客さんで満席だったので、僕はカウンターに腰を下ろした。<br />
温かいコーヒーを飲みながら、ひと息ついていると、<br />
マスターと常連客らしき人が話をしていた。<br />
「毎年いるんだよね、ああいう人が」<br />
「乗っちゃいけないって言われているのに、乗っちゃうんだよね」<br />
「春になって流氷がなくなると、海の底から見つかるんだよね」<br />
「ツアーで来ている人は気づくけど、ひとりの人は落ちてもわからないから困るよね」<br />
きっと青年はここに転がり込んで、濡れた衣服を乾かさせてもらったに違いない。<br />
ひょっとして彼がまだいるかもしれないと、あたりを見回してみたが、<br />
小さな喫茶店の中に、青年の姿を見つけることはできなかった。</p>
<p><strong>写真・文　神戸眞平</strong>（ごうど しんぺい／トラベルグラファー）</p>
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		<item>
		<title>第8話「いろんなフィルムを味わってみる PRO400H編 その2」</title>
		<link>http://cameralife.jp/cl-column/1618</link>
		<comments>http://cameralife.jp/cl-column/1618#comments</comments>
		<pubDate>Tue, 02 Mar 2010 01:29:40 +0000</pubDate>
		<dc:creator>CL編集部</dc:creator>
				<category><![CDATA[CL Column]]></category>
		<category><![CDATA[上野 隆の「やっぱりフィルムが好き」]]></category>

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		<description><![CDATA[上野 隆さんによる大好評コラム<br/>
「やっぱりフィルムが好き！」の連載第8話。<br/>今回のテーマは<br/>「いろんなフィルムを味わってみる PRO400H編<br />その2」です。]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<div class="forcolumn">
<div class="imagebox">
<img src="http://cameralife.jp/wp/wp-content/uploads/2010/03/ueno08.jpg" alt="" title="" width="300" height="300" class="alignleft size-full wp-image-1619" /><br />
本来強烈な光を感じさせるはずのハワイの日差しをPRO400Hの個性によって穏やかな光のように再現した。<br />
静かな雰囲気を出したかったからこそのフィルム選択だ。</p>
<p>カメラ：富士フイルム GF670 Professional<br />
レンズ：EBCフジノン80mmF3.5<br />
露出：絞り f11、シャッタースピード 1/350<br />
フィルム：PRO400H
</p></div>
<div class="columnbox">
前回カラーネガフィルムの設計は仕向け地によって異なることを<br />
お話しました。では、それぞれのフィルムが持つ個性は<br />
どう使ったら十分発揮できるでしょうか？</p>
<p>まずは撮影時の注意点。第一にフィルムの特長をよく理解し、<br />
被写体や撮影目的にあった的確なフィルム選択をすることです。<br />
例えば前回お話ししたPRO400Hで言えば、軟調でハイライトに<br />
シアン味が乗るわけですから「紅葉を鮮やかにくっきり撮りたい」<br />
という用途にはミスマッチですよね？ でも、同じ紅葉撮影でも<br />
「朝の透明感のある光で、しっとりと表現したい･･･」という時に<br />
使うなら最適かもしれません。<br />
第二に適正露出で焼きやすい「いいネガ」を作ることを心掛けるのが大切でしょう。いくらラチチュードが広いプロネガといえども、<br />
撮影時に露出を大幅にずらしてしまっては、さすがに階調を失って<br />
しまう部分も出てきますから。<br />
余談ですが、ここ数年雑誌や写真展で見かけるカラーネガの写真は、<br />
ますますハイキーで青味がかったものが多くなっていますね。<br />
登場当初こそ新鮮でしたが、ここまで増殖するともう<br />
「お腹いっぱい」という気がします。<br />
「過ぎたるは、なお及ばざるが如し」ですね（笑）。</p>
<p>さて、続いてプリント時のポイントについてもお話ししましょう。<br />
現像だけで発色まで行われるリバーサルと違い、<br />
ネガカラーはプリントして初めて色が出るわけですから、<br />
感材の特長を生かすも殺すもプリント次第とも言えます。<br />
最大のポイントはプリント注文時に<br />
自動補正をできるだけしないようお願いすることです。<br />
最近のデジタルミニラボには自動補正機能が備わっていて、<br />
露出やカラーバランスを自動的に<br />
「最適化」してしまう場合があります。<br />
この「最適化」が実は曲者で、普段は失敗を救ってくれる非常に<br />
ありがたい機能なのですが、<br />
あえて個性を出そうとして選んだフィルムの場合は、<br />
せっかくの個性が薄まってしまうこともあるのです。<br />
当初輸出用フィルムが写真専門店だけで販売されていたのは、<br />
実はこれが理由だったのでは？ と思っています。<br />
フィルムを売る人とプリントを焼く人が同じ、<br />
もしくはとても近くにいる「写真屋さん」なら、<br />
写真家は自分の意図を焼き手に正確に伝えやすいですし、<br />
お店も正しい知識と技術さえ持っていれば、<br />
フィルムの持つ個性を上手に引き出したプリントが<br />
提供できるはずですから。</p>
<p>最後に、もっと上級者向けコースとして「現像＋ベタ焼き」という<br />
やり方にも触れておきたいのですが、<br />
それはまた次回以降にしましょう。<br />
<br />
<strong>上野　隆</strong><br />
全国の写真教室や撮影会の講師として活動中。<br />
写真撮影の技術ではなく、写真の楽しさをテーマにし<br />
た授業内容が大好評。写真展や写真関連イベントのプ<br />
ロデューサーとしても定評がある。<br />
フィルム写真のアナリストとして、新聞、雑誌、各種<br />
写真イベントへの登場多数。写真専門誌への寄稿多数。<br />
フォトマスター検定「エキスパート」取得。<br />
英国王立写真協会会員。<br />
上野 隆氏が主宰する写真教室は<span class="m_link2"><a href="http://www.fujifilm.co.jp/photoent/index.html">こちら。</a><span>
</div>
</div>
<p><br clear="all"></p>
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		</item>
		<item>
		<title>♯02 黒い蕎麦の名誉～音威子府</title>
		<link>http://cameralife.jp/cl-column/1587</link>
		<comments>http://cameralife.jp/cl-column/1587#comments</comments>
		<pubDate>Mon, 01 Feb 2010 10:30:54 +0000</pubDate>
		<dc:creator>CL編集部</dc:creator>
				<category><![CDATA[CL Column]]></category>
		<category><![CDATA[神戸眞平の「北海道に恋した風」]]></category>

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		<description><![CDATA[トラベルグラファー・神戸眞平さんによる旅エッセイ「北海道に恋した風」の第2回目をアップしました！]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img src="http://cameralife.jp/wp/wp-content/uploads/2010/02/c3db05dbfc5cdbf67034f56e6a79c963.jpg" alt="" title="" width="670" height="447" class="alignleft size-full wp-image-1588" /><br />
撮影地：音威子府　OLYMPUS OM-1N　ZUIKO28mmF3.5　f8　1/125　NEOPAN400PRESTO<br />
<br />
吹雪の中を列車は、音威子府（おといねっぷ）駅に到着した。<br />
雪が激しかったので、まずは蕎麦を食べて腹ごしらえをすることにした。<br />
音威子府には、チョコレートを練りこんだような黒さの有名な地蕎麦がある。<br />
しばらく歩くと、蕎麦の看板が出ている大衆食堂があった。<br />
引き戸を開けると、灯りの消えた店内には誰もいなかった。<br />
少し嫌な予感がした。<br />
大声で何度か叫ぶと、奥からおばさんが、「あれま」というような驚いた顔で出てきた。<br />
それはまさしく、「あれま、お客さんが来ちゃったよ」の「あれま」であった。<br />
おばさんは、「蕎麦しかできませんよ」と、ぶっきらぼうに言った。<br />
いいのである。　別にステーキを食べに来たのではない。　蕎麦があればいい。<br />
店内を見渡せば、蕎麦しかできなくても仕方がない店だとわかる。<br />
しかし、壁にかかったお品書きを見て、天ぷら蕎麦を注文すると、<br />
「できません」と、あっさり言われてしまった。<br />
いいのである。　別に天ぷらを食べに来たのではない。　蕎麦があればいい。<br />
店内を見渡せば、天ぷらができなくても仕方がない店だとわかる。<br />
何ならばできるのか聞いてみると、月見ならばできるが15分かかるという。<br />
急ぐ旅ではないので、待つことにした。<br />
しばらくすると、おばさんは店の外に出て、鍋に雪をいっぱいに詰めて戻ってきた。<br />
雪で茹でるつもりだろうか。<br />
店の中も外と同じくらい寒く、上着は脱げないし、マフラーも外せない。<br />
震えながら耐え、凍傷になる寸前でようやく蕎麦が出てきた。<br />
注文したのは蕎麦で、それも玉子を割っただけの月見である。<br />
客は僕ひとりである。<br />
15分どころではない、30分以上もかかっている。<br />
ひと口食べてみると、ぬるくてまずい。<br />
どのように茹でると、このようなぐちゃぐちゃな蕎麦になるのだろうか。<br />
プラスチック製の器は黄ばんでいた。<br />
身も心もますます冷え込んだ。<br />
それでも空腹だったので、30分以上待ったものを1分で食べてしまう。<br />
何となく不条理を感じつつも、500円玉を出す。<br />
月見は470円と書いてあったのに、おばさんがくれたおつりは20円だった。<br />
小学生でもできる計算だと思う。<br />
しかし、もう問いただす気力もなく、<br />
黄色く変色した演歌歌手の色紙を横目で眺めつつ、店を出た。</p>
<p>駅に戻ると、駅には立喰い蕎麦屋があった。<br />
ぼんやり眺めていると、わざわざ車で来て食べている人もいて、結構繁盛している。<br />
さっき食べた蕎麦がどうにも納得できなかったので、ここでもう１杯食べてみることにした。<br />
同じく月見を注文すると、30秒後に出てきた。　30分と30秒、なんという差だ。<br />
ひと口すすってみる。　<br />
しっかり熱い。<br />
麺もぐちゃぐちゃではなくて美味しい。　<br />
値段も330円と安い。<br />
気のせいか卵黄も膨らんでいるようだ。<br />
わざわざ駅に食べに来る人がいる理由がわかる気がした。<br />
500円玉を出すと、きちんと170円のおつりが戻ってきた。<br />
駅で温かい蕎麦を食べながら、僕の体と心もしだいに温まっていった。<br />
そして、僕の中における音威子府蕎麦の名誉も、確実に回復されていった。</p>
<p><strong>写真・文　神戸眞平</strong>（ごうど しんぺい／トラベルグラファー）</p>
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